GISで迷わないための基礎知識

GISや地図データを扱っていると、
「このデータの座標系は何だろう?」
「EPSGコードって結局どれを使えばいいの?」
と迷う場面が必ず出てきます。

特に日本では、
平面直角座標系(いわゆる「19系」)
という独特な仕組みがあり、
初学者だけでなく実務経験者でも混乱しがちです。

この記事では、以下の点を整理します。

  • 座標系とはそもそも何か
  • 日本の平面直角座標系(19系)の考え方
  • なぜ19も存在するのか
  • EPSGコードとの関係
  • 実務で気をつけたいポイント

座標系とは何か(ざっくり)

座標系とは、
地球上の位置を数値で表すためのルール
です。

代表的なのが、次の2つの考え方です。

  • 緯度・経度(例:北緯35度、東経139度)
  • X座標・Y座標(平面上の数値)

緯度・経度の弱点

緯度・経度は直感的ですが、次のような弱点があります。

  • 距離をそのまま測れない
  • 面積計算が難しい
  • GIS上での処理がやや面倒

そのため、多くのGIS処理では
地球を平面に投影した座標系
が使われます。


平面座標系が必要になる理由

地球は球体(正確には楕円体)なので、
それをそのまま平面に広げると歪みが発生します。

  • 距離がずれる
  • 面積が変わる
  • 方角が正しくなくなる

この歪みを
どこで・どの程度許容するか
という考え方が、座標系設計の本質です。


日本の平面直角座標系(19系)とは

日本で長く使われてきた平面座標系が、
平面直角座標系です。

これは、日本全体を一つの平面にするのではなく、

日本を19の区域(系)に分割し、
それぞれで歪みを最小化する

という設計になっています。
これが「19系」と呼ばれる理由です。


なぜ19系もあるのか

日本は南北に長い国です。

仮に日本全体を1つの平面座標系で表そうとすると、

  • 北海道と沖縄で歪みが大きく異なる
  • 距離や面積の誤差が無視できなくなる

という問題が起こります。

そこで、

  • 地域ごとに最適な投影を設定する
  • 歪みを小さく保つ

ために、19の系に分割されています。

これは「面倒な仕様」ではなく、
測量・行政実務を成立させるための現実的な選択です。


系ごとの考え方(イメージ)

平面直角座標系では、

  • 関東地方 → 9系
  • 関西地方 → 6系
  • 北海道 → 11〜13系
  • 沖縄 → 15〜17系

のように、
地域ごとに「標準的に使う系」があります。

公共測量や自治体GISでは、
この系の使い分けが前提になっています。


測地系の違いにも注意する

もう一つ混乱の原因になるのが、測地系です。

  • TOkyoDatum1918(旧日本測地系)
  • JGD2011(新日本測地系)

同じ「9系」でも、
測地系が違うと別の座標系になります。


EPSGコードとは何か

EPSGコードは、
座標系を一意に識別するための番号です。

  • EPSG:4326 → 世界的に使われる緯度・経度(WGS84)
  • EPSG:3857 → Web地図(Google Maps など)
  • EPSG:6677 → 日本の平面直角座標系 9系(JGD2011)

このように、
「どの座標系か」を短い数字で表せます。


なぜEPSGコードが重要なのか

GISソフトやプログラムは、

  • EPSGコードを見て
  • どの計算ルールを使うか

を判断します。

つまり、

  • EPSGコードを間違える
  • もしくは指定しない

と、

  • 位置がずれる
  • 距離が合わない
  • 他データと重ならない

といったトラブルが簡単に起こります。


EPSGコードを素早く確認したいとき

実務では、

  • 詳細な理論を読む時間はない
  • 今すぐEPSGコードだけ知りたい

という場面も多いと思います。

そういうときは、
EPSGコードを一覧・検索できるツールを使うと便利です。

日本の座標系については、
以下のページで簡単に確認できます。


https://geobox.citywide.jp/epsg-finder

地域別にEPSGコードを見られるため、
調査やデータ確認の補助として使えます。


まとめ

  • 座標系は「位置を数値化するルール」
  • 日本では歪みを抑えるために19系が使われている
  • 同じ系でも測地系の違いに注意が必要
  • EPSGコードは座標系のID
  • 正確な指定がGISトラブル防止につながる

座標系は一見ややこしく見えますが、
考え方を整理すると筋の通った仕組みです。

最低限の理解を持っておくだけでも、
GIS作業の安心感は大きく変わります。